マンガ「破天荒フェニックス」感想/現代の小説家が学ぶべき書き方

みなさまご機嫌よう。

高美濃四間です!

 

今回は久しぶりに「漫画を教養へ」コーナーを更新しますよ。

今回ご紹介する漫画はこれ!

マンガ 破天荒フェニックス

 

倒産寸前のメガネ会社を買収した社長が、どれだけ逆境に立たされても必ず蘇り、世界一のメガネ会社を目指すという熱い物語です。

ちなみに、YoutubeにカッコいいCMがあったので、ぜひ見てみてください↓

 

マンガ「破天荒フェニックス」感想/現代の小説家が学ぶべき書き方

今回これを読んだのは、ホリエモンのYoutubeで作者の田中修治さんがゲスト出演されていたのと、オリラジ中田さんと対談されていた動画を見たのがキッカケでした。

それで読んでみたら、熱量が凄かったのです!

ここまで仕事に全力で取り組めることに憧れを感じました。

 

ビジネスマンが身を奮い立たせるための書籍としてもおすすめなのですが、今回は小説家のために紹介するので、ストーリー作りに活かせる部分について語りますね。

 

主に↓の三点

・感情移入のコツ

・明確なメッセージ

・誰にでも物語は書けるということ

 

感情移入のコツ

この作品の主人公、めちゃくちゃ感情移入できました!

それも、社長という自分とはまったく違う立場なのに、です!!

 

それは「最初から最後までブレない信念」があったことと、「どんな不幸に見舞われても、地べたを這いずり回りながらでも地道な努力をする泥臭さ」があったからだと思います。

 

主人公『田中修治』社長は、倒産寸前のメガネ会社を買収して社長になり、世界一のメガネチェーンを目指すと言いました。

これだけ聞くと、華々しい快進撃を見せてくれるかと思いきや……

 

・会社の幹部から「あなたを仲間だとは認めていない」と言われる

・次々に社員が辞めていく

・創業者の隠していた新たな負債が見つかる

・新店舗を出しても客が誰も来ない

・東日本大震災によってさらに窮地に

 

と、次から次へと困難が襲い掛かってきます。

それでも主人公は、全国の店舗をまわって飲み会で社員の本音を聞き出したり、具体的な業務改善の説明をしたりと、地道に努力し続けました。

 

それで僕は気づいたのです。

こういう破産寸前のような、ギリギリの状況で物語が展開してこそ、主人公に感情移入できるのではないかと。

これは以前読んだ、池井戸潤先生の『空飛ぶタイヤ』でも強く感じたことです。

そして、この絶望の日々があるからこそ、終盤でカタルシスが生まれるのです。

 

物語を書く人であれば、ぜひとも参考にしてみて欲しいですね。

 

明確なメッセージがある

本作では、経営者にとっての理念や考え方を明確に描いています。

たとえば、「社員を絶対にリストラしないこと」。

 

これは経営者が主人公の物語に共通していることで、百田尚樹先生の「海賊とよばれた男」や池井戸潤先生の「空飛ぶタイヤ」でも同じように語られています。

このように、明確なメッセージがあると、作品としても読者の印象が強くなるのです。

 

あともう一つ、僕が感動したエピソードの話をしましょう。

 

オンデーズが本当に売るべきもの

一度は半額オープンセールでなんとか立て直したオンデーズ。

しかし、東日本大震災で再び窮地に陥りました。

そんな状況でもオンデーズの社員たちは、被災地にメガネを無料で作りに行きます。

 

そこで一人のお婆さんにメガネを作りました。

彼女はそのメガネのおかげで、無数に張り出されている掲示板から、家族全員の無事を確認することができたのです。

 

そこで主人公は初めて気づきました。

オンデーズが本当に売らなければならないのは、「メガネをかけて見えるようになった素晴らしい世界」なのだと。

 

誰でも物語の主人公になれるということ

本作の主人公であり、作者であり、オンデーズの社長である田中修治さんは冒頭部分で語っています。

 

鬼に家族が殺されなくても、7つの星がついた不思議な玉を探しに行かなくても、普通の仕事をしていても、自分の行動力一つで誰でもマンガの主人公になれるのだ」と。

 

僕の思う本作の強みは、実体験に基づいたリアリティだと思っています。

 

ファンタジーなどのフィクションを書く人も、ぜひ自分の体験を物語に落とし込んでみることをおすすめしたいですね。

 

そう、「倒産寸前から世界一を目指した男の物語」を描くように。

 

まとめ

今回は、破天荒フェニックスについて熱く語りました。

本作はノンフィクションですが、僕たち小説家にとっても重要な様々なことを教えてくれます。

 

・感情移入のコツ

・明確なメッセージがある

・誰でも物語の主人公になれるということ

 

この破天荒フェニックス、ぜひとも読んでみてくださいね!

人生が変わりますよ。

↓マンガ版

マンガ 破天荒フェニックス

 

↓小説版

 

感情移入できるキャラクターの作り方は、↓の記事で解説しています。

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